グループホームでどう仕事をしていくか

介護職に興味がある人や、家族や親族の介護を経験したことがある人なら、「グループホーム」という言葉を一度は聞いたことがあるだろう。他の介護施設とはどこが違うかというと、グループホームの利用者はみな認知症を患っている。

そんなグループホームで仕事をする、働くとなると、他の介護施設では得られない経験や苦労があるものだ。あなたは2時間ずっと、5分おきに同じ質問を同じ人間からされたことはあるだろうか。大抵の人は無いだろう。同じ質問を永遠と繰り返されるなんてことは日常茶飯事だが、部屋の整理や片付けをしようとすると泥棒扱いされたり、自分の家へ帰ろうと施設から出てしまう利用者がいたり、自分だけご飯がなかったと職員が責められたりと、他にも色々な苦労が多いのがグループホームの介護現場である。

よほど介護という仕事が好きだったり、辛抱強い人間でない限りすぐに嫌になってしまうだろう。ではなぜグループホームのスタッフは、そこで働くことを辞めずに仕事を続けているのか。それは意外だが簡単である。あなたは、毎日「ありがとう」と言ってくれる人間を嫌いになれるだろうか。つまりはそういうことなのである。この「ありがとう」という言葉を言った本人達は、そんな一言のことなんて記憶にないのだが、だからこそ毎回でも「ありがとう」と言ってくれるのだ。このような小さなやりがいや喜びを大切にできる人間には、グループホームでの仕事は向いているのかも知れない。